第二に、個人、人材、組織のマネジメント・リーダーシップの力を鍛えることです。医師は病院の管理者、経営者であり、医療チームのリーダーです。医師はチーム医療の中で司令塔的立場になることが多く、リーダーシップを学ぶことは決して損になりません。

しかも医学部教育において組織論やリーダーシップを学ぶ機会はなく、MBAでは、日本において医師の教育・訓練では全く触れる機会のない知的環境に身を置くことができます。

第三に、異分野の人脈形成です。医療職以外の人との接点と言えば、事務職、製薬会社の医薬情報担当者(medical representative:MR)、行政の一部役人程度で、職場での人的交流は極めて狭い範囲に限られます。

私の場合もMBAの同級生には医療事務や薬剤師、製薬会社社員といった医療関連職のみでなく、大学教授、衆議院議員、公認会計士、一流商社パーソン、フリーターと実に多彩で、経歴や価値観の違う異分野の人々の意見を聞いたり、議論を交わしたり、グループワークによって協同で成果を生み出していく作業には新鮮な発見があります。

授業終了後にお酒を飲みながら熱く議論することもしばしばですし、時には意見の食い違いから口論になることもあります。

さらに、MBAの同級生で2017年現在自民党の副幹事長を務める関芳弘議員の呼びかけにより、同級生が結集して、アジア・アフリカ環境協力センター(ASIA AFRICA COOPERATION ENVIRONMENT CENTER:ACEC)を通じて救急車(日本の中古車で使えなくなったもの)を寄付し、モンゴル政府からツブケン勲章を授与して頂いたこともあります。

自民党の政治資金パーティーで石破茂氏の講演を拝聴したこともありました。このように医療以外の世界との触れ合いで自身を成長させていくことが可能です。

※本記事は、2017年12月刊行の書籍『MBA的医療経営』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。