▼夫婦喧嘩にあらわれる性差

前にも述べましたが、一般に女性のほうが夫婦関係に目を向けて、感情的な結び付きを相手に求める気持ちが明確です。男性は感情や欲求を抑えて問題の解決を優先し、夫婦の感情的、情緒的な関わりを追求するより静観しようとする傾向があります。このため、夫婦喧嘩となれば、女性はその時の感情を言葉で表現しますが、男性はむしろ女性との対決を避けて沈黙します。そして夫の沈黙がますます妻の苛立ちに火を付ける悪循環に陥ることが多いのです。

そもそも夫婦喧嘩を引き起こすキッカケは、たとえば「約束の時間に遅れた」や「洗濯物を取り込んでいない」など、日常の極めてささやかな出来事なのです。しかし、そこから、これまでに積もり積もった夫婦関係の不満が引きずり出されて、一気に爆発するのです。この意味でも夫婦喧嘩はその時々の感情に支配されていますが、根底に、夫婦間のコミュニケーション不足や家事・育児・介護分担不足があることは繰り返し述べてきました。

もっと感情論的に夫婦関係というものが、「私のために一緒にいてくれる?」の呼びかけに「いいよ」と応えてくれる関係だと言いかえれば、夫婦関係の不満も喧嘩の原因も、もっと簡単に表現できそうです。

それは、「自分の存在を受け入れてくれない」ことへの苛立ちであり、「かまってくれない」ことへの寂しさなのです。

これからは、もし夫婦喧嘩に直面したなら、ぜひ、夫婦喧嘩のキッカケとなる心の奥底の感情を見つめ直してください。そこには必ず、お互いが自分の存在を認めて欲しいとか、かまって欲しいというような感情が存在しています。

ポイント
男性脳は征服的・狩猟的欲求が強く、直接的なセックス行為を好み、コミュニケーションは問題解決のための手段です。女性脳は共感的欲求が強く、スキンシップや会話などの雰囲気や聴覚的刺激にひかれます。女性のコミュニケーションは会話を共有して楽しむことを望みます。
男女の会話の中で、双方が合点しにくいのが、妻との会話中に夫が感じる「それで、あなたは何が言いたいの?」です。夫は男女差を理解して、どこまでも聞き役に徹してください。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『ストップthe熟年離婚』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。