治療して1カ月後。薬の効果は…?

「先日、児童館に迎えに行ったら宿題を終えた満足感で、ニコニコしてやってきたのです。今までそんなことはなかったので驚きました。帰りの車の中も、いつもはうるさかったのにおとなしくなりました。それまでやらなかった書写も、イヤイヤながらもやるようになりました」

薬の効果が現れ、母親は喜んでいました。症状に改善が見られたので、次は理解者作りです。幸いB君は、特別支援学級の先生とは仲良しで、慕っているようでした。

母親と特別支援学級の先生とで相談し、私も会うことにしました。

私はその先生に彼のよき理解者になってくれるように頼み、優しく、丁寧に、具体的に、肯定文で接するようアドバイスを加え、今後のサポートをお願いしたのです。先生は、非常に協力的で、慎重かつ積極的にB君と接してくれるようになりました。

その甲斐もあってか、B君の症状はますます改善され、他のお子さんともうまく接するようになり、私ともコミュニケーションをとるようになっていったのです。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。