5、全部門研修(以下6項目)

目標管理、アクションプランのつくり方
組織の活性化(モチベーションを高める)
4S(整理、整頓、清潔、清掃)
品質保証(印刷)
品質保証(間接業務のミス:変更、やり直し、連絡ミスetc.)

6、アクションプラン検討

それぞれ改革の成果を確信させる意欲的な目標が設定されました。各チームの主な目標を次に記します。

①4S、組織の活性化(チェックシートの点数で目標設定)
②生産性向上、コストダウン
 営業:「当日手配をゼロに」、作業指示書の「未決事項(空欄)をゼロに」
 工務、総務、配送の各部門:「前工程の仕上がり待ち時間削減1/2以上」
 印刷工場:「機械修理費1/2以上削減」
③品質改良(印刷工場、間接業務)
 営業:「入力ミス、指示ミス削減1/2以上」
 印刷:「刷り直し削減30%以上」
 デザイン:「校正ミスをゼロに」

7、全社方針発表会(キックオフ)

このようにして全員参加による全社方針発表会を行い、初回訪問から2ヶ月で活動がスタートしました。よい目標が設定できたので、私は目標達成に向けて具体的な行動計画が着々と実行されれば業績は大きく回復することを確信していました。

更に、長年の業績不振で自信を喪失されていた社長も、問題点と対策が明確になるにつれて自信を回復され、力強く陣頭指揮をとられました。そして、社員の活動を進めながら、同時に社長自ら迅速且つ積極的に次々と改革に着手されたのでした。

その結果、早くも1~4月度で売上高営業損失率が前年のマイナス15.8%→マイナス4.5%に、実に1.3ポイントの大幅改善となり4年ぶりに回復の軌道に乗ることになりました。

教訓

1、決算書を数年間の推移で見ると問題点がよく見える
2、“何が問題か”“どうすればよいか”は社員が知っている
 日頃社員の自発的な知恵が活かされる社風と、社員の声に耳を傾ける積極的なコミュニケーション努力が会社を強くする

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『生産性向上はこうする』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。