人々は温羅の乱暴狼籍を
 大和の大王に訴へたり

* 大王 大和朝廷が成立し、国土を統一する以前、各地に割拠して、地方を治めていた首長。例えば出雲の国の大王。

 

大王はねがひを聞き入れ早急に
 温羅征伐の軍勢を送る

 

大和より遣はされたる吉備津彦命
 軍勢をととのへ戦にのぞむ

* 吉備津彦命 第七代孝霊天皇の皇子と云われ、
岡山市・中山茶臼山古墳が、その御陵(みささぎ)と云われる(宮内庁管理)。

※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。