これまでに受けてきた教育や、先輩から教わるノウハウなど、作業上の知識をより充実させることが、製品の仕上がり具合に対する満足度に大いに影響するということも感じている。良い仕事をするために夜は充分に睡眠を取るようにしていて、朝の体調は万全だ。(Liveware;本人)

⑥社内に“マネジメント”を所轄するグループが発足してから、会社の活動ルールが変わってきたのだと思う。当初マネジメントという呼び方から、生産目標や業績の成果などについて口を挟んでくる部署ではないかと勘繰ったが、そうではなかった。

彼らは組織活動を円滑に機能させることに重点を置いていて、人の育成や業務手順を含めた社内ルールの整備、設備の充実などについて、特に力を入れているようだ。

余談だが、彼らは人や設備などを“基盤”と呼んでいる。そんな“基盤”の中で中心に据えているのが“人”だ。「組織の活動は人に適したものにする必要があり、そうすることが組織の発展につながる」という言葉を、彼らから何度も聞いた。

教育の強化や社内ルールの見直し、設備・環境面の充実など数え上げればきりがない。彼らの活動によって会社全体の業務が継続的に改善し、安定した活動が作られている。(management)

如何でしょうか。なんとなくm-SHELの各要素と中心の人との理想的な関係について、イメージすることができましたか。自分たちの職場に関し、そこで働く人やそれを支える人たちがイメージした理想的な状況こそが“あるべき姿”なのです。

次は、いよいよヒューマンエラーがどうして発生するかについて話を進めてゆきます。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『 ヒューマンエラー防止対策』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。