第1章 ヒューマンエラーはなぜ起こる

2、m-SHEL モデル

2-1.m-SHEL モデル

〈m-SHEL条件の揃った理想的な職場例〉

④何年か前に行き違いが発生しないよう、チーム内でお互いに“必要な情報を共有する”、“必要なことを確実に指示する”など、仕事上の目的に応じたコミュニケーションルールが定められた。最初は情報の共有が目的であったが、始業前にコミュニケーションをとることで、お互いの体調管理にも役立つことが分かった。

また、前日のトピックスを話し合うことで始業前の注意点確認や、記憶の呼び戻し、今からの作業をよりクリアにイメージさせるなど多くのメリットを感じる。関連部署とのコミュニケーションルールも決められていて、定期的に行っている。

仕事とは離れるが、趣味の話など雑談を交わすことでお互い気軽に声をかけられる雰囲気も生まれた。趣味のサークルのようなつながりもでき、プライベートでも関係は良好だ。(Liveware)

⑤最近感じていることだが、作業を行うにおいて入社当初と明らかに違うことがある。以前なら決まった作業を完結し結果さえ問題がなければ、それで良かった。しかし、今は何のためにその作業を行うのかを知ることが要求されている。

「製作の業務」では、“何のためにその業務を行うのか”を考えたときに、自分の今の技量がもどかしく思えることがある。製品として問題はないのだが、感覚的に完璧さや、恰好良さに今一つ満足できないのだ。

会社には力量評価の制度があり、“合格レベル”から最も上級は“マスターレベル”まである。今の自分は“合格レベル”の実力しかないが、何れ“マスターレベル”になれるよう日々努力している。