ゆっくりでもいいので発達障がいを勉強してもらうことが必要です。しかし、同じ時代に育ったにも拘わらず、母親には、教師、医師、ママ友などからさまざまな情報が入ります。そして今まで苦労して育ててきた中でのさまざまなクレームに甘んじてきた過去の経験からか、もはや根性では治らないと悟り、もしかしたら夫も発達障がいではないかと気づいて相談しに来る母親も多くいます。

母親は自分が得た情報を夫や祖父母など、家族にしっかりと伝えてあげてください。そして、夫が発達障がいを理解し、自分がもしかしたらそうかもしれないと気づいた場合、お子さんと一緒に治療するように説得してほしいのです。大人でも治療は可能です。

もちろん母親が発達障がいの場合もあります。母親が発達障がいを抱えている場合は、父親よりもお子さんと一緒にいる時間が長いこともあってか、子育てに関わることにより症状が出ることが多く見受けられます。

お子さんの忘れ物が多い、指示を聞いてくれないといった場合に、手を出したり怒鳴ったりしてしまい、深刻になると、虐待に及ぶこともあるようです。お子さんに依存し、必要以上に束縛をしたり、過保護に育てたりする場合も多く、教育や医療に対し、自分(自分のお子さん)中心のさまざまな要求をしつこくしてしまうといった、世間でモンスターペアレントと呼ばれているような方たちがとる行動をしてしまうケースも少なくありません。

また、子育てには直接関係はないのですが、ネットやスーパーでついついたくさんの品物を買いすぎてしまうということも、発達障がいが影響している場合があります。

父親も母親もお子さんにとっては、もっとも身近にいてもっとも影響を受ける存在です。ですから、親御さんの発達障がいによってお子さんの症状も悪化してしまいます。お子さんの症状をいち早く改善するためにも、そして親御さん自身の人生のためにも、一緒になって発達障がいを乗り越えてみてはいかがでしょうか。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。