くうくうと雄のよぶ声に誘かれて
 鳴かぬ雌がひたと寄り添ふ

 

たけり鳴く恋のあわれさ池じゅうに
 雌雄ひしめきてさざ波 起きる

 

雌の背なにおしかかる雄の重たさに
 浮き沈みつつ蛙は交る

※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。