くうくうと雄のよぶ声に誘かれて
鳴かぬ雌がひたと寄り添ふ
たけり鳴く恋のあわれさ池じゅうに
雌雄ひしめきてさざ波 起きる
雌の背なにおしかかる雄の重たさに
浮き沈みつつ蛙は交る
※本記事は、2018年11月刊行の書籍『歌集 風音』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 風音【第7回】
何気ない日常にある幸せを探しに。
優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。
くうくうと雄のよぶ声に誘かれて
鳴かぬ雌がひたと寄り添ふ
たけり鳴く恋のあわれさ池じゅうに
雌雄ひしめきてさざ波 起きる
雌の背なにおしかかる雄の重たさに
浮き沈みつつ蛙は交る