おもな登場人物

大鳥沙也香(おおとりさやか)
美人の若手女流作家。若い世代の間でアイドル視されている。

沢田(さわだ)まゆみ
松風出版編集企画部勤務。大鳥沙也香の担当。

藤本克也(ふじもとかつや)
松風出版編集企画部部長。沢田まゆみの上司。

高槻義則(たかつきよしのり)
奈良のK大学教授。

高槻恵美子(たかつきえみこ)
高槻教授の妻。

山科(やましな)教授
奈良のH大学に勤務。

磯部(いそべ)准教授
東京のW大学に勤務。

諸星(もろぼし)教授
東京のY大学に勤務。

滋野(しげの)教授
九州のF大学に勤務。

松岡秀忠(まつおかひでただ)
警視庁捜査一課の刑事。

坂上慎二(さかがみしんじ)
奈良の新聞記者。

記紀に出てくる実在の人物

厩戸皇子(うまやとのみこ)
「聖徳太子」という名で知られている古代史の中でもっとも有名な人物の一人だが、その実像は謎に包まれている。

欽明(きんめい)天皇
厩戸皇子の祖父。厩戸と同様、その実像がほとんどわからない謎の人物。

用明(ようめい)天皇
厩戸皇子の父。豊日皇子(とよひのみこ)という、九州の地名を冠する大王。即位して二年で、謎の死を遂げる。この人物にも謎が多い。

筑紫君磐井(ちくしのきみいわい)
九州を統治していた豪族。「反乱」の名目で物部氏によって滅ぼされる。

穴穂部皇子(あなほべのみこ)
欽明大王の子。大王位を狙っていたが、物部守屋によって殺される。

三輪君逆(みわのきみさかう)
敏達(びたつ)大王に仕えた忠臣。穴穂部皇子によって殺される。

炊屋姫(かしきやひめ)
後の推古(すいこ)天皇。蘇我稲目(そがのいなめ)の孫。蘇我馬子の姪(めい)にあたる。

崇峻(すしゅん)天皇
実名を泊瀬部皇子(はっせべのみこ)という。暗殺された天皇として有名になった。

大伴噛(おおとものくい)
物部氏の陰謀で失脚した大伴金村(おおとものかねむら)の近縁の人物。金村の跡を継いで用明大王に仕え、厩戸皇子を軍事面で支えた。

葛城烏那羅(かずらきのおなら)
厩戸の側近として、行政面で彼を支えた。

蘇我馬子(そがのうまこ)
物部守屋を倒し、六世紀後半から七世紀にかけて、大和朝廷の実権を握った人物。

物部守屋(もののべのもりや)
六世紀半ばから政権を掌握していたが、「聖徳太子」と蘇我馬子によって倒される。

迹見首赤檮(とみのおびといちい)
「物部戦争」における主要人物。物部守屋の腹心的人物だったが、やがて蘇我馬子側に寝返り、守屋を殺す。

中臣勝海(なかとみのかつみ)
最初は守屋側だったが、途中から変心したことを迹見首赤檮(とみのおびといちい)に知られ、殺される。

慧慈法師(えじほっし)
高句麗(こうくり)から渡来してきた僧で、厩戸の仏教の師匠。

ホキの君(きみ)
厩戸の正妃。膳(かしわで)氏の娘で、厩戸がもっとも信頼し、愛した女性。厩戸とともに病床につき、彼が死ぬ前日に亡くなった。

倭直(やまとのあたい)
『古事記』では「倭国造(やまとのくにのみやつこ)」としている。東征する神武軍の水先案内をした実在の人物。

賀茂(かもの)タケツノミ
京都の賀茂氏の始祖。記・紀では、神武軍が紀伊半島を北上するとき、道案内したヤタガラスとして描かれている。

蘇我蝦夷(そがのえみし)
蘇我馬子の子。馬子の跡を継いで大臣になった。七世紀前半、朝廷の実権を握っていた。

蘇我入鹿(そがのいるか)
蝦夷(えみし)の子。大化改新(たいかのかいしん)のとき、中大兄(なかのおおえ)から殺される。

止利仏師(とりぶっし)
飛鳥寺の飛鳥大仏や法隆寺の釈迦三尊像を造ったと伝えられる造仏師。厩戸の側近に仕えた僧だと考えられている。

小野妹子(おののいもこ)
第二次遣隋使および第三次遣隋使(けんずいし)の大使。

(ずい)・文帝(ぶんてい)
中国古代国家、隋の初代天子。厩戸が第一次遣隋使を派遣した。

(ずい)・煬帝(ようだい)
隋の二代目天子。厩戸は煬帝に対して派遣した第二次遣隋使のとき、数十人の僧侶を遣(つか)わし、仏法を研鑽させた。

裴世清(はいせいせい)
煬帝(ようだい)から遣(つか)わされた隋の使者。小野妹子に案内されて倭国に来た。

天台大師(てんだいだいし)・智顗(ちぎ)
中国天台宗の開祖。煬帝は若いころ、彼を師として菩薩戒(ぼさつかい)を受け、仏教を学んだ。

慧思禅師(えしぜんじ)
天台大師・智顗(ちぎ)の師匠。南岳大師(なんがくだいし)と呼ばれた。

(てんむ)天皇
実名を大海人皇子(おおあまのみこ)という。「壬申(じんしん)の乱」で大友皇子(おおとものみこ)を破り、天皇に即位した。この天武天皇から倭国は「日本国」と国名を変えた。

斉明(さいめい)天皇
実名を宝皇女(たからのひめみこ)といい、天武天皇の母。大化改新(たいかのかいしん)のときは皇極(こうぎょく)天皇といった。そのとき一度天皇位を退位して、後に再び即位し、斉明(さいめい)天皇と称した。日本国誕生前夜の大動乱を生き抜き、日本国朝廷の基盤を築いた女傑。

記紀が造作した架空の人物

神武(じんむ)天皇
日本国第一代目天皇とされる。九州から大和に遠征して新大和朝廷をうち建てる。記紀の創作した架空の人物だが、その物語の内容は「日本国誕生物語」の史実をフィクション化して表現したものだ。

ナガスネヒコ
神武軍に抵抗し、苦しめたが、最後は殺される。その実像は「神武天皇」の正体の人物に対抗して敗北した人物だった。

ニギハヤヒ
大和国に住んでいた朝鮮からの渡来人。神武軍に味方し、ナガスネヒコを殺す。ナガスネヒコの妹を妻としている。彼に関する話もまた、六世紀から七世紀にかけて実在した人物の実話だった。

雄略(ゆうりゃく)天皇
実在した五世紀の「倭の五王」の最後の王、倭王武(ぶ)だと考えられているが、ある人物の実像を描くために創作された架空の人物。

※本記事は、2018年9月刊行の書籍『日出る国の天子』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。