裕福な暮らしから一転…

■主人との絆

私が32歳の時に主人と出会いました。唐突に結婚してほしいと言われたのが最初で、当時、私は準看護師学校に通っていましたから当然お断りしました。丁度その頃、私は正看護師学校に進学するか悩んでいました。主人は「何も心配せず受験してみたらどうか? 生活のことは全部面倒みてあげるから」と言い促されました。思い切って受験してみたところ合格したので、本格的な勉強がはじまりました。

主人は当時、裕福だったので、福岡のデパートで洋服をはじめとし、学校で必要な教材なども全て購入してくれました。そして無事、国家試験に合格した頃、主人はある事件で逮捕されました。任俠の世界に生きる人でしたので、いつどうなるかということは覚悟していました。世間はそう甘くなく、白い目で見られることが多かったのですが、私は耐えるしかありませんでした。

そして刑は3年間というものでした。

もう、この時は私は就職していましたから、夜勤のあと鹿児島まで高速で1時間半かけ面会に行っていました。毎日手紙は書いていましたが、とても寂しい思いをしました。私も苦労しましたが、主人はもっと辛かったでしょう。そして3年が経過し出所しました。この時、私は、感極まって泣いてばかりいました。これも待つことで愛を育んでいたと思います。

もう以前のような贅沢はできません。

主人は現在、建設業や剪定業などをしています。真面目に仕事をし、二人で慎ましやかに暮らしています。私達は恋愛という垣根を越え、親友みたいに、絆や契り(約束)を結んでいるのです。現在、主人は72歳となり、年齢的に身体を壊さないように、願っています。