発達障がいは治るのか

今、発達障がいの治療を専門とする医療機関も、少しずつですが増えてきています。

県名、発達障がい、専門医と検索サイトに打ち込んでみるなど、ネットを利用すれば、さまざまな情報が得られるはずです。私のクリニックに来ていただいても構いません。発達障がいに困っている方に手を差し伸べられる医師、事務員、公認心理師、音楽療法士がいて治療が受けられます。

一口に発達障がいといってもその症状は人によって違います。発達障がいはさまざまな障がいの総称であり、障がいによって引き起こされる症状によって、注意欠如多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症といったように、いくつかに分類されています。

お子さんの症状に合わせて家庭環境を変えることによって、改善を図ったり、音楽に合わせて集団で体を動かすミュージック・ケアという音楽療法を行ったり、感覚統合訓練を行ったりとさまざまな非薬物治療の仕方があります。

そして、今注目すべきはADHDの投薬治療です。

第二章で詳しく述べますが、ADHDは6歳以上なら薬による治療が可能です。

就学前に5歳児健診などで早めに親御さんが気づき、病気を受容し、6歳から治療すれば、小学校入学までに随分とその症状は改善されます。必要以上に教師に怒られて自信を喪失させることなく、のびのびと学生生活を送らせることが可能なのです。

ある製薬メーカーのアンケートによると約半数の親たちが6歳前後に薬物治療することを希望されています。

薬による治療ができるのはADHDだけではありません。2017年から小児期に限って自閉スペクトラム症の易刺激性(イライラする等)に対しても薬物治療の適応が通ったのです。ADHDの治療によって他の障がいの症状を抑えることにもつながるケースが、よく見受けられます。

[図1]発達障がいの関係図
※知的発達症のない高機能自閉スペクトラム症が圧倒的に多く、また、そのほとんどはADHDや限局性学習症と重なり合っています。
※今は、「知的発達症」「限局性学習症」「自閉スペクトラム症」としています。「障害」という言葉は消えています。

それは、図1「発達障がいの関係図」のように、それぞれの障がいが少しずつ重なり合っている場合が、発達障がいでは多いからです。そのため、ADHDを治療することは、発達障がいを乗り越えていく上で非常に重要なことと考えられます。