「高齢で血管がもろくなっていますので、こすったり揉んだりはしない方がいいです。先日言いましたが、腫れて痛いときはベッドで横になるのがいいです。おとなしくしていてください。治療は特にありません」

との説明でした。内出血のにじみがなくなってから再度挑戦しました。また、にじみができました。治ってからさらに弱い力でこすって試しました。徐々に力の入れかたが分かってきて、内出血が起こらないようになりました。

1カ月、2カ月、とたつうちに、夕方、むくむ程度がだいぶよくなり、痛がらなくなりました。1年ほどでむくみはなくなりました。その後も、むくみが出ないように、また、下肢静脈瘤をなくそうと同じ要領でせっせと毎日指を揉み、甲、脛などを両手でこすり続けました。

5年ほどたったころでしょうか、下肢静脈瘤は消えて、脛の前後の皮膚はとてもみずみずしくなっていました。

「やったー」と、ものすごく嬉しかったことを覚えています。

私が冗談で母親に、「お母さんの足を見ると20歳。顔を見ると100歳」と言うと、母親はニコニコ顔でした。また、すぐに、口を大きく開けて「歯臭い」と冗談を言って笑っていました。このように笑いながら冗談を言える母親は認知症が改善したのを感じて本当に嬉しく思いました。

 注意 

下肢静脈瘤の解消にはものすごく慎重に時間をかけました。結局5年かかりました。脛をこすることにより血管を傷つけて内出血が数回起きました。下肢静脈瘤の凸凹をこすると内出血以外に、血栓がはがれることもあるかもしれません。凸凹をこする場合は十分気をつけてください。私がこすることができたのは、自分の母親なのだからなにかあったら自分の責任、との覚悟があったからです。

※本記事は、2020年8月刊行の書籍『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。