赤鬼の形相したる温羅なりき
血走る眼らんらんとかがやく
石垣をめぐらす居城を築きたり
人々はおそれ鬼の城とよぶ
*鬼の城(総社市) 巨大な古代朝鮮式山城で、七世紀ごろの築城とされる。国指定史跡。
城を出ていくたび村落を襲ひたり
若き娘をさらひ五穀をうばふ
※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 旅のしらべ 四季を詠う【第13回】
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
赤鬼の形相したる温羅なりき
血走る眼らんらんとかがやく
石垣をめぐらす居城を築きたり
人々はおそれ鬼の城とよぶ
*鬼の城(総社市) 巨大な古代朝鮮式山城で、七世紀ごろの築城とされる。国指定史跡。
城を出ていくたび村落を襲ひたり
若き娘をさらひ五穀をうばふ