(1)「事務所移転」(1月末)を機会に大きく改善

一般に事務所の移転とか、設備導入などに伴うレイアウトの大幅変更がある時は、4Sの大きなチャンスです。E社でもそのチャンスが最大限に活かされました。

(2)僅か1年で様変わりになった職場環境

①輸送整備部門の改善
②事務所の改善
③キーワードは「探すムダの排除」と「社長の率先垂範」

事務所の4Sでは社長が自らの机を始め率先して改善され、一気に進展しました。

(3)“自主活動を促進する”4S活動の進め方、4S巡回点検の進め方

大事なことは、4Sの改善が殆んど社員による自主活動によって進められていることです。一つの改善が次の改善を呼び、改善された環境が人の意識を変え人を育てるよい循環が生まれています。

先ず不要物の「整理」にかかり、次に「清掃、清潔」に取り組みます。不要物を整理すると約半分が廃棄され置き場所も半分になり空きスペースが出来てきます。最後に「整頓」にかかりますが、「整理、整頓」が4Sの究極の目的でこれによって「探す」時間のムダがなくなり仕事の能率が大きく改善されます。

E社では、他社の倉庫の見学をするなど、社外にも教材を求めながら改善が進んでいます。そしてこの活動がE社の競争力の強化につながり次の発展を支える原動力になっています。

[図表2] 4S点検チェックシート(PSIPテキストより抜粋)

教訓

1、なんでも受けろ! 断るな!で会社に活気を呼ぶ
2、「4S」が環境を変え、変わった環境が人を変える

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『生産性向上はこうする』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。