(2)幸福度と理想の見極め

① 幸福度

幸せを数値で測ろうとするとき、どのような「幸福度」が考えられるのであろうか。

これに関して、図のように、一般的に「幸福度」は、まず自己の主観的な期待としての「理想」の状態を想定し、その理想に対する客観的な条件としての「現実」の状態として表すことができる。そこでは、現実が理想に近いほど、幸福度はより高いことを意味している。

[図] 幸福度の算式と理想の見極め

② 天命・運命・使命

この場合に、「何を理想とするか」について、どのような点に注意すべきであろうか。

これに関して、注意すべき点は、図のように、「天命と運命の区別」である。ここで「天命」(天から与えられた命)とは、「宿命」(宿る命)とも呼ばれ、この大宇宙の作用(縁起の法の作用のこと)の結果として生まれたときから先天的に天によって自己に与えられた命のことで、自己の努力ではどうにもならないもののことである。

これには、例えば、サウジアラビア(地理的)に現在(時間的)王家(身分的)の王子(性的)として生まれることなどがある。これは、自己の努力ではどうにもならないことなので、天命として素直に受け入れる(※注)と同時に、理想や目標から外すことである。

※注 このような諦念(ていねん)という解毒能力を磨くことが大切である。

すなわち、天命というどうにもならないことに、いつまでもこだわっていると、不満がつのり、消極的な感情の状態なので、幸せになれない。天から与えられた現在の五体や環境を甘受し、それを出発点として、未来の視点からすべてのことを考え、行動していくことが大切である。

つまり、天命は、自己の使命を果たすために、天から与えられた個性や環境と考えて、それを楽しむ位の覚悟と気構えが大切であろう。他方、「運命」(運ぶ命)とは、置かれた環境の下で、自己の命を上手く運ぶということであり、その運び方によって、コントロールすることが可能である。

これには、例えば、社長になることなどがある。これは、努力によって達成可能なものなので、未来の視点から夢や目標として設定し、その達成のために、日々最大限の努力をし続けることが望ましい。すなわち、運命とは、自ら切り拓(ひら)くものである。

この場合、人生において天から与えられた社会へ貢献するための任務や仕事が「使命」(ミッション)である。そして、この使命感や夢こそが、人生で遭遇(そうぐう)する困難や苦境を乗り越えるために役立つ生きた糧(かて)となる。

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『幸せになれる「心の法則」』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。