Time is Brain(時は脳なり)

脳へ血流を供給する比較的太い動脈が急性閉塞を来したために脳梗塞になった場合、患者さんの多くは非常に重篤な症状になります。発症から8時間以内であれば、後で述べるカテーテ ルによる再開通治療が可能です。

「Time is Brain(時は脳なり)」は「Time is Money(時は金なり)」をもじったもので、一刻どころか分秒を競うことが脳を救うことになるという意味です。

超急性期治療を即刻に実施できる病院を見つけておきましょう。救急車を呼べば適切な病院に搬送されますが、それでも日頃から、各自治体の救急体制について、関心をよせておくことは大切です。脳卒中の診療は、院外協力体制、院内協力体制が必須なのです。

「ドクヘリ(Doc-heli)」はドクターヘリコプターのことで、専門科医師および看護師が同乗しています。「telemedicine」、 「Tele-Stroke-Advanced:Telesa」、「Telestroke Network」とは、電話とかスマートデバイス(スマートフォンやタブレットフォン)による病状報告や画像転送システムによって患者さんの状態をリアルタイムに交信したりツイートしたりできるシステムのことで、その実施度は現時点では、自治体による差異はありますが、今後急速に展開されていくはずです。

[図1]修正ランキンスケール(判定基準) modified Rankin Scale:mRS ※介助とは、手助け、言葉による指示および見守りを意味する。 ※ 歩行は主に平地での歩行について判定する。なお、歩行のための補助具(杖、歩行器)の使用は介助には含めない ※ 死亡時の記載事項:死亡日、死因(1. 原疾患、2. その他)、剖検(1. なし、2.あり/ 所見記載)
※本記事は、2020年1月刊行の書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法 』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。