夕闇にしまふくろうの現はれて
池のほとりに眼を凝らす
暗視カメラにおほしき姿映りをり
するどき眼嘴は曲りし
樹の洞に雛の待つゆゑ夕闇に
山女を狙ひ人を恐れず
*山女 サクラマスの陸封型。
※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 秋津島逍遥【第17回】
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
夕闇にしまふくろうの現はれて
池のほとりに眼を凝らす
暗視カメラにおほしき姿映りをり
するどき眼嘴は曲りし
樹の洞に雛の待つゆゑ夕闇に
山女を狙ひ人を恐れず
*山女 サクラマスの陸封型。