第一章 生い立ちの記

三 結婚

「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」と詠った上杉鷹山、米沢藩の行政改革を行った人です。

丁度その頃、上杉鷹山のドラマが、テレビ放映されておりました。ドラマの一コマで語られていた行政改革を成し遂げようとする心の「火種」、火種を大切に育てていったシーンを思い出すのです。鷹山の目指した行政改革、それは「私心なく民を思う心」でした。

鷹山を助けた執政の任に当たった人の心模様を、ドラマの中で描いていましたが、人の心の中に住む「疑心暗鬼」という鬼が暴れていく様を、思わせているような気がします。

昨今、企業における不祥事報道を見るたびに思いますが、世の中のいろいろな組織体を見た時に、一つの組織が大きくなっていくほどに、人の心にかかわらず、組織の中の見えないところで、組織そのものに、よくも悪くも、「力」が備わってくると、私は感じています。