また、地方制度改革で効率の悪い地域は、専制体制や封建制度に影響を受けて、「君主の引き立て―地域の庇護的な関係」が伝統的にあります。対等な人間関係が貧弱で、職場では上司と部下の強い上下関係の人付き合いが存在していました。

社会関係資本は、概念として感覚的に理解できても、実感としてはとらえどころのない印象があります。日本には、2000年代になって社会関係資本の言葉が登場していますが、まだまだ一般に認識されるまでには至っていないようです。

そこで、内閣府が社会関係資本の豊かさの度合いを比較調査する際の設問内容を追記します。

人付き合いでは、隣近所で付き合う人の数、職場以外の友人や親戚との付き合い頻度、スポーツ・娯楽・趣味の集まりへの参加の有無など。社会参加では、町内会・自治会などの活動やボランティア・NPO(特定非営利活動法人)・市民活動への参加の有無。そして社会的信頼では、「見知らぬ土地で出会う人を信頼」できるか否かの設問などがあります。

こうした人数や参加頻度などが多いほど、信頼感があるほど社会関係資本が豊かなのです。

どうでしょうか、社会関係資本が孤独とは対極にある概念であることがおわかりいただけたでしょうか。社会関係資本が豊かであれば、地域社会や人間関係が豊かになり、人間相互、または人と集団の間に信頼感、連帯感、満足感が生まれます。

孤独が健康被害を招くことは前項で述べたとおりですから、人々は健康に、そして幸せになれる可能性があるのです。孤独は単に個人だけの問題ではないということです。

地域社会全体の信頼や満足と関わり、住民一人一人の幸福感をも左右しているのです。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『ストップthe熟年離婚』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。