rt-PAは血栓を溶かす力が非常に強く、注射と点滴で投与されます。脳梗塞の発症後4.5時間以内に使用することにより、後遺症の程度を大幅に軽減することが可能です。

具体的には100人の脳梗塞の患者さんにrt-PAを使うと、約40人の方が後遺症のほとんどない状態に回復します。日本では2005年の10月よりこの治療が保険適応になりました。

しかしこの薬にはリスクもあるのです。壊死巣に血栓を溶かす薬を使って血の流れを回復させると、壊死巣に出血を起こす(出血性脳梗塞)危険性も高まるので、この治療の選択には慎重でなければなりません。

身体の中にもともとあるプラスミンという酵素は、前駆体であるプラスミノゲンから作られ、血栓を溶かす作用があります。rt-PAは、プラスミノゲンの作用を増強することで血栓を強力に溶かす酵素です。

これまでの血栓溶解薬と違って、遺伝子組み換えにより作ったrt-PA製剤で、血栓自体に作用して血栓を溶かすため、血栓溶解療法に適した薬です。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法 』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。