九、戦時中の子供の遊び

戦時中の静岡での遊びは、自分たちで工夫しながら単純な遊びが主だった。あまり知られていない遊びを紹介すると、物がない時代、上級生も下級生も一緒になっていつもグループで遊んでいた。

どんま(どうまとも言う)

一二人以上いると、この遊びができた。馬組六人と乗り組六人の二手に分かれる。馬組はメンバーの一人が、立ち馬になって壁に背を向けて正面を向いて立つ。

馬組のそれぞれが、立ち馬の股ぐらに、首を突っ込み両手で立ち馬の両足を抱える。さらに、第二馬は、第一馬の股ぐらに首を突っ込み両手を第一馬の両足を抱える。

同じように第三馬から第五馬まで首を突っ込んで馬となる。背中を上にして第一馬から第五馬まで約五メートルくらい数珠つなぎ状態になる。

馬に乗るメンバーは、跳び箱の要領で一人ずつ五~六メートルくらい後方から駆けだし、第四馬くらいの背をめがけて跳び箱の要領で両手をついて馬の背中に勢いよく乗る。その衝撃で一人でも馬側の態勢が崩れると、崩れた人は馬になり続ける。崩れなければ、崩れなかった人が乗り手となり、今度は、乗り手が馬になる。乗り手がいかに馬を崩すかの乱暴な遊びだった。

瓦当て

瓦を、たがねと金槌で適当に割ってやすりを使って幅一〇センチメートル、縦七センチメートルくらいに削って四角い小さな形で立つように作る。地面に幅三メートルくらいの間隔に横に線を引いておく。六人なら三人ずつに分かれて、ジャンケンで先攻後攻を決める。