関西弁は何にも恥ずかしくない言葉や。むしろ関東弁より柔らかくて優しさのある言葉や。笑われても、からかわれても構わないから堂々と使いなさい。自信を持って関西弁をみんなに教えてやりなさい。

関西弁って面白いやろと開き直ればいいのや。お前ならきっとできる。静岡の子供たちに負けたらあかん。負けずにやり通しなさい。関西弁はいい言葉や」と優しく力説してくれた。

「それから、ランドセルと自転車のことやが、お前しか持っていないから、そのねたみでいじめられたと思う。だから、今夜、おばあさんに、みんなと一緒の肩掛けカバンを作ってもらおう。明日からランドセルをやめてみんなと一緒の肩掛けカバンで学校に行きなさい。

自転車については、お前ばかりが乗っているからねたまれているのや。逆にお前が乗らずにみんなに自転車を貸してあげなさい。そして、乗れない子がおったら乗り方をお前が教えてあげればいい。そうすれば、きっと自転車がみんなとお前をつないで仲良くしてくれると思う。そうしなさい。正夫。分かったか」と言われた。

祖父に強く元気づけられた。

※本記事は、2020年8月刊行の書籍『戦争を知らない君へ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。