脳梗塞・認知症・ロコモを医師が徹底解説!
「高齢社会の三大疾患」の一つ、脳梗塞を知ろう。
治療・予防法に注目が集まる三大疾患について、医師が徹底解説をするシリーズ・第1弾。
患者・その家族が理解しづらい、脳梗塞時に脳で起こっている変化を画像でわかりやすく図解。また、いかに予兆をとらえ迅速に病院へ行くかが重要な脳梗塞における初期症状、診断・治療、予防法についても流れに沿って解説。リハビリの章では、手指、下肢の麻痺チェック、失語症患者との会話法などもイラストで示すことで視覚的に把握。
医療従事者だけでなく、介護・福祉関係者が患者への説明・指導を行ううえでも活用できる知識が詰まった連載をお届けします。
血管周囲腔とは発生学的に見ますと、脳を栄養する動脈が脳表から脳内に穿通する際に随伴して引き込まれたクモ膜下腔のことです。ラクナと似た像を呈しますが、よく見るとしばしば 左右対称性の分布を示し、フレア画像で低信号を示します(図1)。
また、ラクナ梗塞の方がより大きく(3~15㎜)、わずかに辺縁が不整ですが、血管周囲腔は長軸に平行な面では細い線状となることが鑑別点となります。ときに両者を区別できないこともあります。
ラクナ梗塞は、後に大きな梗塞に移行する可能性があり、脳梗塞の危険因子として位置づけられています。そのため、無症状であってもラクナ梗塞と診断されれば、場合により降圧薬と抗血小板薬を投与されることがあります。
※本記事は、2020年1月刊行の書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法 』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。
また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。