水爆のうさぎ

今から約七百万年前に常時直立二足歩行をし、打製石器を使う猿人と呼ばれる生き物がいた。そして約百八十万年前に原人が出現し、その生き物は火を使った。次に現生人類である新人が出現した。人類は著しい進歩を遂げた。文明が生まれ、宗教が生まれ、哲学が生まれ、文学と芸術、そして自然科学が発達し、戦争が頻繁に起こった。

人類が大量殺戮を正当化する戦争に嫌気がさしたとき、緩やかではあるが、世界が共存と共栄、平和主義に向かいつつあるように思われた矢先、突如、ある大陸に悪魔と呼ばれる生き物が出現し、人類と悪魔との戦争が始まった。戦争は何千年と続き、その間に人類はさらに進歩を遂げた。戦争をすると、自然科学の進歩が著しく早くなるのだ。

しかし、ある時人類の進歩は止まった。その理由は一般人にはわからない。それから何年か経って、戦争は終わり、人類は勝利した。生き残った悪魔はおかしな術を使って月に逃げ去った。しかしながら、今でもたまに、人類を攻撃してくるのであった……。

僕は普通の高校生だった。しかし、ある時、部屋の掃除をしていて見つかった一枚の紙きれが、 僕のその後の人生を大きく変えた。その紙切れには

「八月六日に光山に行け。これを書いたのはうらなりである」

と書いてあった。書いた覚えはないが、確かに、これは僕の筆跡である。僕は不思議に思いながらも、八月六日に、光山へ行った。すると、そこには大勢の人が集まっていて、しばらくすると、老人がみんなの前に出てきて話をし始めた。

「今日皆に集まってもらった理由は、君たちを悪魔と戦う兵隊にするためである。そのために、悪魔と戦う戦術・戦略・具体的方法を今から君たちに教える。悪魔と戦うときは、銃や大砲を使うのではない。光(こう)というものを使う。光は一般人には知られていないが、三か月くらいの修行で身につけられる人間の持っている能力である。

これは、機関銃や大砲などよりも強大な能力である。光はいくつかできることがあり、一つ目は、肉体を鉄より硬い光で覆う能力である。二つ目は、運動神経を発達させる能力である。三つ目は、他人の記憶を消す能力である。四つ目は、記憶を消す能力から自分を守る能力である。最後の能力は、光を極めた者の中でたまにいるのだが、自分の体と魂を分離させる能力である。この能力を持つ者は死んでも魂は生き続け、誰かの死体の中に入り、活動することが可能である。

光のことを一般人に知られたら、後で記憶を消すように。そして、次に悪魔の能力だが、悪魔は陰(いん)を使う。陰の特徴は術を使えることである。そして陰を使う者は不死身である。しかし、悪魔を倒した後で、その悪魔の使う術が弱いもので攻撃すれば、殺す事ができる。ちなみに、悪魔の見分け方だが、悪魔は、見た目は我々人間とそっくり同じだが、死人のように、白い肌をしている。私の話は以上だ!」