くっきりと爪のかたちをとどめたり
 獣の姿を考えてゐる

 

春近くむれる牡鹿ら足爪に
 雪かき分けて笹の葉を食む

 

人をらぬ野に牛むれて草を食む
 果てしなき野を過りてゆけり

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。