その社長室に、回収した捕獲具の中の干からびたパンを狙ってクマネズミが出没するようになった。

フリーモードで仕掛けを2台設置したのだが、なかなか入ってくれない。忘れたころに中に入ってパンを食べていた。ロックモードにすると、1頭ずつを2日続けて捕獲することができた。

どちらも、大きさから言って子ネズミであった。その後いなくなったので、効果はあったのだが、時間がかかり過ぎ、粘着シートの方がましなくらいである。いくつかの成功例では、すぐに餌付けを行うことができたのだが、なかなか餌付けができない場合との違いが判らない。

違いがわからないと、仕事として捕獲具を使用できないため、クマネズミを狙って捕獲できる有効な使用方法がわかるまでは商品化に踏み切らないことにした。

その後、自社のホームページと捕獲した動画を見て、海外から反響があった。アメリカの捕獲具メーカーの営業マンが通訳を伴ってわが社を訪問したのである。

狙ってクマネズミを捕獲できる仕掛けというのは恐らく世界にそれほどなかったのだろう。

情報収集のためだろうと思うのだが、値打ちが分かっていてすぐに行動するあたりはさすがアメリカだと思った。

ホームページを見ようが動画サイトで動画を見ようが、面白さを分かろうとせず何事にも反応の鈍い日本とは大違いである。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『捕獲具開発と驚くべきネズミの習性』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。