脳梗塞・認知症・ロコモを医師が徹底解説!
「高齢社会の三大疾患」の一つ、脳梗塞を知ろう。
治療・予防法に注目が集まる三大疾患について、医師が徹底解説をするシリーズ・第1弾。
患者・その家族が理解しづらい、脳梗塞時に脳で起こっている変化を画像でわかりやすく図解。また、いかに予兆をとらえ迅速に病院へ行くかが重要な脳梗塞における初期症状、診断・治療、予防法についても流れに沿って解説。リハビリの章では、手指、下肢の麻痺チェック、失語症患者との会話法などもイラストで示すことで視覚的に把握。
医療従事者だけでなく、介護・福祉関係者が患者への説明・指導を行ううえでも活用できる知識が詰まった連載をお届けします。
第3章 脳梗塞のタイプ
脳梗塞の病型
国際的に広く普及しているNINDS(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)による脳血管障害の中での脳梗塞の発症機序は、血栓性、塞栓性、血行力学性に分けられています。
そして、臨床カテゴリーとしては、以下のように分けられています。
1)アテローム血栓性脳梗塞
2)心原性脳塞栓症
3)ラクナ梗塞
4)その他
血管閉塞(狭窄)の部位による症候を考慮した分類としては、1)内頸動脈、2)中大脳動脈、3)前大脳動脈、4)椎骨脳底動 脈系(椎骨動脈、脳底動脈、後大脳動脈)に分けられます。
病型や閉塞部位の判定は、神経症状、発症様式(突発性か緩徐進行性)、心疾患の有無、リスクファクター(危険因子)・バイオマーカー(生物学的指標)などの臨床情報を前提とし、各種の画像検査を経て確定診断にいたります。
本書で紹介している治療法等は、著者が臨床例をもとに執筆しております。万一、本書の記載内容により不測の事故等が生じた場合、著者、出版社はその責を負いかねますことをご了承ください。
また、本書に記載している薬剤等の選択・使用にあたっては、医師、薬剤師等の指導に基づき、適応、用量等は常にご確認ください。