第3章 脳梗塞のタイプ

脳梗塞の病型

国際的に広く普及しているNINDS(National Institute of Neurological Disorders and Stroke)による脳血管障害の中での脳梗塞の発症機序は、血栓性、塞栓性、血行力学性に分けられています。

そして、臨床カテゴリーとしては、以下のように分けられています。

1)アテローム血栓性脳梗塞
2)心原性脳塞栓症
3)ラクナ梗塞
4)その他

[図1]脳梗塞の主なタイプ。アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞と、内頸動脈起始部の粥状硬化症、心房細動などでできやすい心臓内血栓の関連性を示しています

血管閉塞(狭窄)の部位による症候を考慮した分類としては、1)内頸動脈、2)中大脳動脈、3)前大脳動脈、4)椎骨脳底動 脈系(椎骨動脈、脳底動脈、後大脳動脈)に分けられます。

病型や閉塞部位の判定は、神経症状、発症様式(突発性か緩徐進行性)、心疾患の有無、リスクファクター(危険因子)・バイオマーカー(生物学的指標)などの臨床情報を前提とし、各種の画像検査を経て確定診断にいたります。