夫婦の問題

世界一孤独な男性

▼妻以外に話し相手のいない夫

私自身が、今にいたるまで親しく付き合う友人はいませんでした。そのことを時に寂しく思うことがあっても、取り立てて改善しようとはしませんでした。いや、正確には、友達を作ることができないでいたのだと思います。仕事での成功や成果を追求する過程で、いわゆるプライドばかりが積み上がって、職場内で親密な人間関係を築けずに過ごしてきたのです。

それに、気心がわかり合えるまでの人付き合いを煩わしいだとか、おっくうだと感じて、避けている自分がいたのだと思います。このことは、言葉を変えれば妻以外に親しく話す相手がいなかったことになります。

私だけではありません。チマタには“孤独”な人があふれています。孤独は、「おひとりさま」や「ひとりぼっち」として極めてありふれたこととして受け入れられ、否定されるものではなかったからです。それどころか「孤独のすすめ」として美化される風潮さえあります。

図1がまさに今日の私たちの世相の根源にある事実です。夫婦に限れば、妻以外に話し相手のいない男性の現状です。国際機関OECD加盟の21カ国における男性の孤独度調査結果(2005年)を示しています。隣近所、職場内やスポーツ・娯楽・趣味の集まりなどの社会集団の中で、人とほとんど、またはまったく一緒の時間を過ごさない成人男性の割合は、日本男性が断トツの1位で、 17パーセントだったのです。

OECD加盟国平均の約3倍を示し、1パーセントほどのスウェーデン、4パーセントほどの米国やドイツをはじめ他国が全て10パーセント未満の中で、際立って高い「人付き合いがない」比率なのです。この調査では女性の孤独度もランキング発表しており、日本女性は、メキシコに次ぐ2位で、14パーセントと高いものでした。ただし日本の男女のこうした「人付き合いがない」状態には明らかな性差があります。

[図1]友人や同僚などと付き合わない男性の割合
隣近所、職場内やスポーツ・娯楽・趣味の集まりなどの社会集団の中で、人とほとんど、またはまったく付き合わない男性の割合:友人や同僚などと一緒の時間を過ごさない成人男性の割合を世界21カ国で調査【OECD(経済協力開発機構)調査(2005年)資料より引用しグラフ化】