第2章 専門医は脳梗塞をどのように診断するのか?

専門医は脳梗塞をどのように診断するのか?

◎脳画像検査

頸動脈エコー(超音波)検査

頸動脈(心臓から脳へ血液を送る血管)に超音波をあて、血管内のプラーク(動脈硬化病変)の有無を調べます。被曝や痛みなどの患者さんの負担なく、動脈硬化の状態や脳梗塞の原因となるような頸動脈の狭窄などがないかを判断することができる検査です。

・検査方法:ベッドに仰向けに寝て枕を外した状態で、首の部分にゼリーをつけたプローブをあてて検査をしていきます。検査時間は30分から1時間程度です。

・何が分かるの?

1. 動脈硬化の有無:血管壁の厚さを測ることで、動脈硬化の有無や程度を判断することができます。

2. 血管の狭窄や閉塞の有無:脳を栄養する血管が細くなって 詰まりそうになっていないか、細くなっている場合にはその程度はどのくらいなのか、手術の適応があるのかなどを判断することができます。

3. プラークの有無:動脈硬化によって血管壁が厚くなり隆起している部分をプラークと呼びます。エコーではプラークの大きさや表面の形状、潰瘍形成や堅さなどを判断することができ、今後脳梗塞の原因となりやすいプラークかどうか確認することができます(図1〜2)。

[図1]正常な頸動脈の超音波像

[図2]プラークの存在する頸動脈の超音波像