試合中盤に横に座っていた年上の女性に、「飛鳥! と言って」と頼まれた。私は、シャイなので、プロレス会場に行っても、声を上げて応援しないタイプだ。私は、回転寿司の大将に「すいません。マグロとイカ下さい!」というのでさえ、苦手なタイプなのだ。しかし、思い切って、飛鳥に向かって「飛鳥ー !! 」と声を上げた。隣の女性はなぜか特に反応していなかったが、私は、なんとか自分の役目は遂行した(笑)。

その後は、長与と飛鳥が、合体技を出すなど、大いに沸き試合は終了した。

その横の女性とは、試合中にちょこちょこ話したりはしたが、ほとんど記憶がなく、この飛鳥への声援をやって欲しいと言われ、したことだけが記憶に残っている。私はこの日、帰り際にその女性に食事をエスコートするとか、それ以上を望むでもなく、後楽園ホールから一目散に帰ってきてしまった。

全日本女子プロレス(全女)には1回だけ行ったことがある。場所は忘れたが、手袋をしていたので、寒い時期だったと思う。全女の選手達は試合が終わったあと、お客さん1人、1人と握手してくれていた。優柔不断な私を他の女子レスラーが囲んでいた。私は最後の1人になり、手袋の中は汗がだくだくで、手袋自体で握手するのも失礼だと思った。アイドルレスラー納見佳容さんとの夢の握手はそれが理由で断らせてもらった。

※本記事は、2020年7月刊行の書籍『アイディア・プロレスコラムDX』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。