2月2日(火)

手術の翌日

夜中に小用に立った。尿道の通過時に傷を引っ掻いていく痛みがあってチビった。真っ赤な尿であった。まあ、いずれ収まるであろうと思い、そのまま寝た。

朝、血尿は少し薄くなっていた。尿通過時の痛みは残っていたが、それも少しは軽くなった。「日柄もの」と思った。体調は良く、手術そのものの痛みはほとんどない。ナースが来る都度、「痛みは10段階でどれくらいですか?」と聞く。10というのがどの程度か分からないが、おそらく良子の癒着剥離手術後はそうだったのであろう。「私は1か2です」と答えた。痛みは、体を動かしたときチクっとするだけだった。じっとしているとゼロだった。痛いのは尿管だけである。

昼には血尿も消えた。ほっとした。

テレビは定時ごとにアイオワにおけるアメリカ大統領予備選の状況を伝えていた。民主党は大接戦をしていた。

昼過ぎになって再び血尿が出た。鮮血と言えた。

私はT字帯(フンドシ)をそのままつけて、その上からパンツをはいていた。

「小用のとき以外でも血は出ますか?」と先に看護師に尋ねられていた。

私にはその観点がなかったから、分からないと答えていた。そこで今度は出し切ったあと、トイレット・ペーパーを重ねて先をくるんだ。

次にトイレへ行ってみると、濡れるほど大量ではないが(実際に出血の感じはまったくなかった)、紙もT字帯もパンツまで、血で汚れていた。小水に関係なく出血があったのだ。

私は少し不安になり、看護師を呼んだ。

看護師は特に驚く様子なく、紙オムツ(なのだろう)と、更にパッドを付けて、使い方を教えてくれた。私は初めてそれを装着した。着けてみるとほんわり温かく、しかもさらさらで、快適である。

水分はどんどん取った。

次に小便をしてみると、最初は血尿であったが、すぐにうす黄色の通常尿に変わった。

つまり、出血は、出口にごく近いところで生じていると想定された。少し安心した。

色がついているのは食後に3種類のクスリを飲んでいるので当然である。夕刻医師の回診時、そのことを告げた。N先生は血尿自体には余り関心を示さず、明日夕刻ハラのチューブを抜きましょう、と言った。つまり予定通りあさっての退院になる。

※本記事は、2019年3月刊行の書籍『良子という女』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。