近づけばくろくおほきな鯱なりき
 母子なるらし背びれ振りあふ

 

見るからに鯱の母子の羨しけれ
 潮ふき合ひつつ遠ざかりゆく

 

河骨の黄金の花の茎だちて
 湖のほとりは花明りする

*河骨 スイレン科の多年草。知床二湖にて。

※本記事は、2019年9月刊行の書籍『歌集 秋津島逍遥』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。