第三章 痛みの諸症状と治療法

大事なのは姿勢と適度な運動

骨粗鬆症の治療で大事なのは姿勢、それと、適度な運動だ。あとは家にこもらないこと。

「年取ったら、もう治らん」とかは言わない。年は全く関係ない。ちゃんとやれば将来につながる。

背骨を強くするのも姿勢だ。真っすぐにしていないと、背骨に均等に重みが掛からない。曲がっていると、まだら骨粗鬆症になる。

強いところと弱いところ、折れるのは弱い部分。だから姿勢を良くして生活することが大事で、姿勢が良ければ背骨は座っていても強くなる。

ただし、股関節は歩いたり立っていたりしないと強くはならない。昔の日本人は、股関節が折れる人は、まれだった。大きな荷物を持って歩き回っていたから、それはもう股関節関係は強かったものだ。ただ、姿勢が悪く、背中を丸めて歩いたりしたものだから、背骨が折れ、腰が曲がる人が多かった。

場所によって違うが、骨粗鬆症も、やはり姿勢を正すことがまず一番だ。適度な運動をし、「一に姿勢」「二に運動」だ。骨粗鬆症は病気じゃない、病態なんでね。

でも今の医療は、骨粗鬆症という病気をつくりあげている。ありえもしない病気をね。そして、まともな生活指導もしないまま薬を処方して、治療しているつもりになっている。だから治らないんです。

カルシウムの摂り過ぎは失敗のもと

カルシウムを摂るように言われると、小魚をポリポリと食べる人が多い。カルシウムなんていうのは、要はチョークの粉と同じ。あんなものをボリボリ食べると、胃もたれがすごいことになる。

また、乳製品は摂り過ぎると太る。太り過ぎると骨が折れる原因になる。だから、食事でカルシウムを不必要に摂り過ぎると失敗する。

骨を強くしようと、筋トレやウォーキングを必要以上にやるのも勧められない。年寄りが若い人と同じことをしたら、ケガの心配もあって逆効果だ。

マラソン選手には骨粗鬆症が多い。オーバーな運動は、やはり骨を弱くする。

患者のモチベーションも重要

もう一つ、治療で重要なのは、患者に「治す」というモチベーションを持たせ続けること。うちのクリニックでは、患者のやる気を維持するために薬を出している。本来は飲まなくても治るけど、薬がないと、朝起きるのも歩くことも「もうやめた」と途中で投げ出す人が結構いる。

薬を出すことで、治りたいというモチベーションを持たせるんです。医者の努力も重要だ。

※本記事は、2019年10月刊行の書籍『治療の痛みは喜びの涙 ある整形外科医の言いたい放題』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。