咲きみつる花に抱かれほしいまま
さへづる小鳥に聞き惚れてゐる
岸辺より枝かたむけてしらじらと
水面に花の影はたゆたふ
花さそふ風に梢の桜花
日も夜もあらず空に散りゆく
※本記事は、2016年7月刊行の書籍『歌集 旅のしらべ 四季を詠う』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 旅のしらべ 四季を詠う【第5回】
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
咲きみつる花に抱かれほしいまま
さへづる小鳥に聞き惚れてゐる
岸辺より枝かたむけてしらじらと
水面に花の影はたゆたふ
花さそふ風に梢の桜花
日も夜もあらず空に散りゆく