第1章 脳梗塞とはどのような病気か?

脳梗塞をよりよく理解するための基礎知識

◎意識障害レベル評価法

脳卒中、脳梗塞を含む神経系疾患の急性期の意識状態の把握は非常に大切です。世界的にはグラスゴー・コーマ・スケー ル(Glasgow Coma Scale:GCS)が、日本ではジャパン・コー マ・スケール(Japan Coma Scale:JCS)が用いられています。 JCSは、300(深昏睡)から1までの9段階に分類します。

なお、 意識清明は0(ゼロ)です。日本では、救急隊と病院との連絡における意識状態の評価はもっぱらJCSによっています。

[図1]急性期意識障害の分類(3・3・9度方式) ※覚醒後の意識内容は考慮しない

◎頭痛

頭痛で脳神経外科や脳神経内科を受診される方は非常に多く、急に起こり命に関わるようなものもあれば、慢性的に悩まされるようなものもあります。頭痛の種類、病院を受診すべきかどうかの見極めについて記します。

頭痛は、大きく一次性頭痛(機能性頭痛、“心配ない頭痛” )、 二次性頭痛(症候性頭痛、“心配な頭痛”)に分かれます。他の顔面痛(三叉神経痛)については、本リーズの「ロコモ」で述べます。

・一次性頭痛
一次性頭痛として一番多くてよく知られているのが片頭痛です。片頭痛は頭痛の約半数を占め、「片頭痛を診てほしい」と言われて外来受診される方の中にも多く含まれています。原因不明であることが多いのですが、精神的要因や、姿勢の問題、 頸椎症、眼精疲労なども原因となります。トリプタン製剤など劇的に改善する薬剤もあり、専門医を受診し自分に合う治療方針や薬を見つけることです。

緊張型頭痛は、筋緊張型頭痛の別称があるように、多くの場合、筋肉の緊張、具体的には肩凝り、頸の凝り、後頭部の凝りや痛み(大後頭神経痛、大後頭三叉神経痛)に起因します。片頭痛と同じく、精神的要因、慢性疲労、頸椎症などが原因となります。治療は精神安定剤を含む薬剤を主体とする対症療法です。

・二次性頭痛
二次性頭痛は、致命的となることもあり特に注意が必要です。頭頸部血管障害によるもの(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、動脈解離、脳静脈血栓症、側頭動脈炎など)と、頭頸部外傷、脳腫瘍、髄膜炎・脳炎、脳脊髄液減少症などによるものとがあります。

頭痛では、嘔吐や強い痛みのため日常生活に支障を来すことも多いですが、適切な治療により症状を軽くしたり、発作回数を減らしたりすることも可能です。頭痛患者さんが毎週2~3日、慢性的に鎮痛薬を内服している場合は薬物乱用頭痛に陥りやすく、一旦陥ってしまうとなかなか負の連鎖から抜けられなくなるため、早めに脳神経内科や脳神経外科の診察を受けられることをお勧めします。

頭痛が急に起こった場合、あるいは頭痛以外に嘔吐や上下肢の脱力、言語障害、意識障害などを伴うような場合はすぐに病院を受診してください。特に、くも膜下出血では、しばしば 「金槌で叩かれたような」「これまでに経験したことのない」激しい頭痛と形容されます。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法 』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。