考察・選手

12 ハルク・ホーガンの根性!

2018年4月27日(金)​

ハルク・ホーガンは、プロレスラーになる時に、ヒロ・マツダさんという人の道場を訪れた。しかし、スパーリングで遊ばれて、足を折られてしまった。骨折である。だが、3か月後、ホーガンは改めて道場に現れると、マツダさんは「こいつは、根性がある」と認めたらしい。

ホーガンはその後、WWEや新日本プロレス、WCWで、TOPスターになるが、昔、私が見たプロレス雑誌では、「日本ではまだ、皆でスクワットを何回もやっているのか?」と茶目っ気たっぷりでインタビュアーに尋ねたようだ。

アントニオ猪木は、「日本でやっていた時のホーガンは良かったけど、アメリカに行って、腕をぐるぐる回して耳に当てるポーズなんかをやっているのは、全く良いと思わない」と話していた。

猪木の弟子の小川直也は、アメリカンプロレスが好きだったようで、ハッスルなどで、ホーガン風に、腕をぐるぐる回して耳に当てるポーズをするとか、ビル・ゴールドバーグの「Who’s NEXT!(次は誰だ!)」と言っていたが、おそらく、アメプロファンでないと伝わらなかったと思う。

痛みに話を戻すと、WWEのカート・アングルは、「今までに“アンクルロック”で何本もの足の骨を折ってきた!」と豪語していた時代がある。WWEとはいえ、本当にそうなのかもしれない、と思わせるところが凄い。

私は、何回か格闘技の道場で体験したが、「“ヒールホールド”をやると足は折れるからね」と言われた。「UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)の系譜の団体も“ヒールホールド”は危険だから一時使用禁止になった団体もある」と聞いたことがある。もちろん、違う関節技でも、骨は折れるのだろうが。

私自身は、35年生きてきて、プロレスラーになりたいと思ったことはない。

遊びで技を掛け合うとか、草プロレスを数人でしたことはあったが。

中学時代は野球部にいたが、野球の試合で、巨人のサード・江藤智選手が、ライナー性のゴロを取る際、イレギュラーしたのか、目に強烈にボールが直撃して大怪我したのを見た。それからは、硬球は元より、軟球を取るのさえ怖くなってしまった。監督がノックする時も、顔が上に逃げてしまう傾向が出るようになってしまった。高校で1回だけサードのポジションで、 硬球でノックを打ってもらったら、膝に当たり動けなくなってしまった。そういう痛みのチキントークはある。

だから、私は、格闘技の道場でも“キャッチ”の状態に入られたら、痛いとか折られるのが怖いので、すぐに手を「パンパン!」と叩き、声で「タップ! タップ!」と言った。

足を折られても、再度向かっていくホーガンは、プロレス界でTOPを張れるわけだ。

※本記事は、2020年7月刊行の書籍『アイディア・プロレスコラムDX』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。