島と大陸

気づいたこと

僕がこの島に住んでから、大陸では複雑なことがいろいろ起こりました。でも僕には関係ありません。

僕はもうすっかり老人になりましたが気づいたことがたくさんあります。まず一つ目は「否定することさえも否定しない方が良い」ということです。

これから僕が気づいたことを書いてみようと思います。

「心の外側より内側が大事だ」「ネコ党は経験と情報を当てにしない」「ネコ党の前提は余裕である」「ネコ党とムカデ党は同じではない」「悩むことは大切だ」「ムカデ党はネガティヴだ」「結婚する相手だけは悩むな」「夫婦の別居は良いことだ」「人生を成功させるために必要なものは、才能でも努力でもなく、その人の持つ欠点だ」「努力は悪いことではないが、悩むことと正反対のことである。欠点を克服するのが努力で、欠点と向き合うことが悩むことである」「本能に逆らえ」「新大陸は許してもいいのではないだろうか」

「タコ党はネコ党ではない」「イヌ党は無知な人ばかりだ」「それでも僕は人類を愛している」「自分の言っていることを理解してくれない人なら、自分のことを尊敬しようが馬鹿にしようがいじめようが、全く同じに見える」「芸術は平らな床のようなものである。上からビー玉を落とすと、好きなところへ行けるから」「小説はすべてネコ党を前提に解釈できる」「小説家はイヌ党とムカデ党とネコ党の三種類がいる」「小説は同じものを繰り返し読むとだんだん面白くなる」「文学はたとえだ、宗教もたとえである」「非論理的な世界がある」

J

僕は久しぶりに航海に出たくなりました。そして新しい島を見つけるのです。ということで僕は島を出ました。そして地図にない島に着きました。そこはJと呼ばれる島です。僕の住んでいた島と大陸をそのまま小さくしたような島です。

僕は今、どこも悪くないのに病院にいます。僕の島に帰してもくれないし、僕の今までのことを話しても誰も信じてくれません。僕はもう先が長くないでしょう。死ぬ前に一度だけ、自分の生まれたあの島に帰りたいです。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『令和晩年』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。