Ⅱ.これこそが慢性病の根本原因だ!

3 両発作死の直接原因物質の正体​

酸性腐敗便は特殊な腐敗便ではない!

但し、このような形容の表現をすると、「そうであるならば、何も『酸性腐敗便』などという馴染みのない造語をわざわざ作らなくても、『下痢便』という既存の言葉を使えばいいじゃないか」と言われる人がきっと出てくることと思います。そこで、なぜ父が「酸性腐敗便」という造語を用いることにしたのか、その理由をここで説明しておきます。

そもそも下痢とは、消化不良の状態をこじらせて、食べた物が腸内で高度の腐敗(酸性条件下の腐敗)を生じた際に産生される、毒性の極めて強い酸性腐敗産物の害から身を守るために必要な生理作用です。つまり、酸性腐敗産物が体に長く留まることで大きく健康が損なわれることのないように、それらを速やかに体外に排出するという、体が元来備え持っている様々な自己防衛のための生理機能の中の有力な一つなのです。

すなわち、たとえ消化不良が高じて腸内に多量の強力な有害物質(酸性腐敗産物)の産生が生じても、体の健康状態が正常な範囲内に保たれていれば、体の安全装置が作動してこれを下痢として体外へと速やかに排出することができるので、その排出ができてしまえば、それ以上問題が大きくなることは起こり得ないのです。逆に言えば、健康や生命が極めて大きく損なわれることが起こるのは、酸性腐敗産物を下痢として速やかに体外に排出したくとも、その排出のできない事態が期せずして生じた場合ということになります。

それははたしてどのような場合なのでしょうか。例えば、軽度に消化機能低下が生じると便秘という生理現象が生じてくるのですが、この便秘が長く続いているところに、さらなる高度の消化不良を招く原因が加わったような場合です。このような際には、糞便の出口である肛門部に石のように硬くなった便秘の便が、その部に栓をしたかのように存在するようになります。

そのため、それに続いて、極めて有害な作用を持つ高度の腐敗を生じた不消化残渣(すなわち、酸性腐敗便)が産生されても、出口に先客の硬い便秘の便が居すわっていて先がつかえているために、それを体外に速やかに排出することが物理的にできないことになります。また、非常に大量の酸性腐敗便が産出された場合も同様に、糞便の量が多すぎるせいで、速やかな排出が困難となります。こうなってしまうと、腸(ことに直腸)内に存在するようになった大量の酸性腐敗便中の水分の吸収に伴って、血液中に極めて多量のタンパク性アミン類が吸収されてしまうことになり、両発作発症に至るのだと私は結論付けています。

上記したことを再度まとめてみましょう。直腸の主要な役割の一つは、ドロドロの水分が多い状態にある消化残渣中からその水分を吸収して、排泄に備えてそれを固型化した糞便にすることです。そこで、それが高度に腐敗した不消化残渣(すなわち、酸性腐敗便)であった場合も、その中に含まれる水分がなんらかのきっかけで直腸壁から吸収されることが起こると、水溶性物質である酸性腐敗産物も同時に吸収されます。

すると、血液中に多量の毒性物質が侵入することとなるので、その毒を水で希釈して体外への排出を図ろうとする体の反応が起き、体内各部からの水分吸収が促進されます。そして、涙液や唾液中の水分が吸収された結果、目や口の強い渇きを覚えるとともに、直腸内の酸性腐敗便中の水分吸収もさらに加速されて、血液中の酸性腐敗産物の濃度が一過性に急激に高まるという悪循環が生じます。

このようなメカニズムによって、両発作による突然死が起こることになるという結論に私どもは達しているのです。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。