【第3章】賢い相続税の節税対策にはこんな知識が必要

「金融大工」になって分かったお金の意味と価値

私は、事業経営者なので毎年決算をしています。自然と会社運営をする上での会計にも詳しくなっていきます。また、個人の確定申告もしているのですが、これも毎年繰り返しているうちに、だんだんと世の中の仕組みが分かってきました。

それまでは、知り合いの社長が、なぜ新しい外車を買ってはすぐに買い替えるのか、不思議に思っていましたが、目的が分かってきたのです。また、会社が軌道に乗りうまくいってくると、経営者はなぜが不動産を買い始めます。これも昔は不思議に思っていたのですが、理由が分かってきました。

それらうまく商売をしている人の行動で、以前から不思議に思っていたことが、ある時、頭の中で繫がったのです。人が行動を起こすには、さまざまな理由があります。中には楽しい、面白いという理由だけで行動を起こす人もいますが、成功している人の行動には一つ一つ必ず理由があるのです。

なぜ、わざとお金がかかるようなことをしているのか、なぜお金もあるのにわざとケチケチしているのか、お金に対する考え方も人によって違います。お金を貯めていくのが富への近道だと考える人もいれば、お金をどんどん使った方が巡り巡って、最後には自分のところに回ってくるという考えの人もいます。

結果が出れば、どちらも正解ですが、ただ単に「貯める」「使う」というのでは、結果は出ないと思います。私は、一口にお金といっても、いろいろなお金があると考えています。

例えば、私個人のお金と私が経営している会社のお金は別です。私が100%出資している会社のお金と、私が20%しか出資していない会社のお金もまた別です。いずれ相続すると思われる父のお金と、私個人のお金はもちろん別です。

さらに言うと、表に出せない闇資金と税金をきちんと納税した後のお金では、同じ1000万円でも価値は全然違います。すべての物事には見えている1000万円の金額以外に付帯された理由があるのです。

TVなどでよく耳にする億万長者は、現金で持っている億万長者なのか、現金はないけれど土地をたくさん持っている人なのか、宝くじなどに当たってお金を持っているだけで使ったらおしまいの億万長者なのか、今たくさんお金は持っていないけど将来にわたり少しずつ毎月お金が入ってくることが約束された億万長者なのか。同じ億万長者であっても、その後の結果はだいぶ違うように思えます。

色々なお金の価値を考え、自分の置かれているポジションを考えて行動をしないと、物事はうまくいかないと考えています。感情的に物事をとらえると物の本質にはたどり着けません。

世間の意見に流されることなく、自分の考えをもって目標に向かって、少しずつ自分の状況をよくしていけるよう、自分も勉強をして近づいていくことが大事だと思います。目標も人によって違うので、自分だけの目標をきちんと見定め、確立することが、楽しい人生が開くために重要だと思います。

※本記事は、2018年7月刊行の書籍『「金融大工」が知っている 一番わかりやすい相続対策』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。