考察・選手

8 中邑真輔の、WWEでの扱いについて。

2019年2月1日(金)

新日本プロレス、2019年1月4日、東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム」で、IWGPインターコンチネンタル王座戦、(王者)クリス・ジェリコ―(挑戦者)内藤哲也の試合があった。

この時、特別解説の蝶野正洋は、「クリスは(ジェリコは)カナディアン(カナダ人)なのにWWEでベルトを巻いてTOPを獲っている。これは物凄いこと」と話していた。

『生涯現役という生き方』(武藤敬司&蝶野正洋/KADOKAWA)の中で、武藤は、「アメリカ人のファンは、アメリカ人が王者でいて欲しいんだよ」と語っている。

つまり、日本人で、WWEユニバーサル王座や、WWR王座を獲ることはとても難しい。昔、WWF(現WWE)でWWF王者をアントニオ猪木が獲ったか? 獲っていないか? 獲ったらしいが後で消された? などと噂になっている。

『【実録】昭和・平成 女子プロレス秘史』([スターダム代表]ロッシー小川/彩図社)によると、「日本のファンはすぐに結果を欲しがるが、WWEはもっと長いスパンで物事を見ている。日本のファンはすぐに結果を欲しがる傾向にある」と書いている。

中邑真輔は、WWEの“NXT”で2度NXT王者を獲得して、メインロースター(1軍)の“スマックダウン”に昇格して、去年の“ロイヤルランブル”で優勝したが、“レッスルマニア34”でWWE王者のAJスタイルズと戦ったが、負けた。その後、しばらくはAJと中邑は抗争を繰り広げるが、結局WWE王座を獲得することはできなかった。

AJの抗争相手はその後、アメリカ人のダニエル・ブライアンが務めるようになり、ブライアンは、AJを破ってWWE王者になった。

一方の中邑は、最高位王座より1つ下の、US王座を与えられる立場となった。今年の“ロイヤルランブル戦”では途中で敗退したし、“エリミネーション・チェンバー戦”に出場する気配もない。そして、今年2019年の“レッスルマニア 35”では、WWE王座のベルトに挑戦する気配はない。

ここで前述した、ロッシー小川さんの言葉が大切になる。

「日本のファンはすぐに結果を欲しがるが、WWEはもっと長いスパンで物事を見ている。日本のファンはすぐに結果を欲しがる傾向にある」。

この言葉は、日本の女子プロレス団体スターダムからWWE入りした柴雷イオにあてた話だ。

メイ・ヤング・クラシック・トーナメント(MYC)で、去年は、日本人でスターダムに所属していた、カイリ・セインが優勝したので、MYC2018も日本人のイオが優勝するものと期待されたが、準優勝に終わった。

ちなみに優勝したのは、かつてスターダムにもいて、去年もMYCに出場していたトニー・ストーム(ニュージーランド出身/アメリカ人ではない)だった。

中邑のWWE王座への期待はあるけど、これはゆっくり待てばいいことだ。中邑は日本で史上最年少でIWGPヘビー級のベルトを巻いたが、それほど最高位の王座に相性がいいとも思えない。ベルトがなくても光れるとも見える。

今後も私は、WWEの中邑のWWE王座への扱いを書くかもしれないが、日本人としても獲って欲しいが、ファンとして結果をすぐに欲しがる傾向には気を付けたい。

※本記事は、2020年7月刊行の書籍『アイディア・プロレスコラムDX』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。