考察・選手

7 「棚橋選手のスタイルがクラシックと言われること自体にビックリしている」蝶野正洋発言!

2019年2月9日(土)

新日本プロレス、2019年1月4日、東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム」では、メインイベントでIWGPヘビー級選手権(王者)ケニー・オメガ―(挑戦者)棚橋弘至の試合があった。

その中で煽られたのはIEGPヘビー級王座をどちらが獲得するか? だが、もう1つは、オメガと棚橋の戦い方のスタイルの違いで、思想闘争(イデオロギー闘争)と言われた。

どちらの選手も、相手の「どのような戦い方が嫌いだ」ということまでは口にしなかった為、ファンとしてはイデオロギー闘争を理解しにくかった。

棚橋の純粋なスタイルに対して、オメガは危険な技を使い、破天荒すぎるという感覚はあった。

この試合の序盤、特別解説の蝶野正洋が、「棚橋選手のスタイルがクラシックと言われること自体にビックリしている」と発言した。

蝶野からすれば、現代のプロレスに合わせざるを得ない棚橋は、グラウンドもほとんどしないし、出すとしてもドラゴンスクリュー、ツイスト・アンド・シャウト、スリングブレイド、ハイフライフローという立体的な攻めがほとんどだと感じているのだろう。

蝶野が考えるクラシックなプロレスの範囲には、棚橋のプロレスは「入らない」と思っているのだろう。

蝶野や武藤敬司の時代には、最初の5分位はお互いにグラウンドの展開をするということがあったから、今みたいにハイスパートなレスリングではなく、最初はシーンとしてお客さんも静かに観戦する形だった。

だから、棚橋は今の時代のプロレスでも大成功しているが、以前の蝶野、武藤の時代にグラウンドのレスリングをすれば、クラシックレスラーとして発言しても問題なかったかもしれない。

以前、「朝までプロレス討論」という企画があった時、棚橋とタレントの早坂好恵さんが、主張をぶつけあうシーンがあった。

棚橋は「じっくりとしたレスリングをした方がいい」と言うのに対して、早坂さんは「皆が見やすいプロレスをした方がいい」と言う、やる側と見る側で意見が分かれた。

簡単に言うと棚橋は「クラシック」で、早坂さんは「新しいプロレス」だろうか。

オメガ―棚橋戦では、棚橋がクラシックを示す意味でも、隠れ必殺技テキサスクローバーホールドで、オメガからタップアウト勝ちか、TKOのレフェリーストップ勝ちをして欲しかった。試合はハイフライフローという立体技で棚橋が勝った。

※本記事は、2020年7月刊行の書籍『アイディア・プロレスコラムDX』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。