Ⅱ.これこそが慢性病の根本原因だ!

3 両発作死の直接原因物質の正体​

消化が正常に行われた場合には、タンパク質はその構成要素である各種のアミノ酸へと分解され、それらが腸壁から体内へと吸収されます。その後にアミノ酸はまずは肝臓にたどり着き、そこで体内で利用できる形のタンパク質へと再合成されます。そして、この再合成されたタンパク質を素材として主要な組織の骨格の形成や傷害痕の修復がなされているわけです。

したがって、このような役割を担う存在であるタンパク質は、各種栄養素の中でも飛び抜けて重要な存在という評価がなされている物質であるわけです。ところが、食事をしてなんらかの原因によってたまたまその消化が十分に行えない事態に陥り、そしてさらにその状態が重篤化した際には、小腸から大腸にかけての部位で腐敗や発酵が行われるようになります。

但し、このことには以下に記す四つの因子が深く関与すると考えられます。①食事の質②食事の量③食事のとり方(ことに、十分によく咀嚼するか否かなど)④その食事をとった時点での消化器の状態(消化能力)なお、腸内で腐敗や発酵が行われるようになると言っても、その程度はもちろんピンからキリまで、非常に幅広いものがあると当然考えられます。

その際、腐敗が高度になるとともに硫化水素や硫酸塩、有機酸類など、強い酸性の物質や悪臭のあるガスが多量に産生されるようになり、やがて遂には腸内のpH値が2.5〜5.5という、非常に強く酸性化した状態にまでなってきます(健康で正常な状態の腸内は、ほぼ中性に近い微アルカリ性)。

そして、このような酸性条件下でさらなる高度の腐敗が引き続き生じると、腸内に存在する腐敗菌(大腸菌など)の持つ酵素の脱炭酸作用(アミノ酸分子の化学構造中のカルボキシル基の中から、COOの部分を炭酸ガスとして外す作用)によって、アミノ酸が、「アミン(アンモニア分子中の水素原子を、炭化水素基で置き換えて得られる化合物の総称)」と呼ばれる物質へと変化します。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。