第1章  夫婦の問題

5)世界一のセックスレス夫婦

▼セックスは最高のコミュニケーション

セックスはパートナーの心と身体に即効的で強い影響力を持つコミュニケーションです。セックスがカップル相互の心身をいやし、絆を深め合うからです。これ以上のコミュニケーションは他にはありません。

それなのにですよ、とても残念な報告が海外から飛び込んできました。

2005年、日本人が世界で最もセックス回数の少ない国民だと名指しされたのです。大手コンドームメーカーのデュレックス社(英国)が世界41カ国の年間セックス回数を調査し全世界に配信したもので、第一位のギリシャの138回に対して、日本はその3分の1にも満たない45回で、他国から完全に取り残された最下位でした。

週に換算すると日本人のセックス頻度は週平均1回にも満たないのです。ただし、この報告では調査方法が不明でした。

翌2006年になって、同じデュレックス社から新たなセックス頻度調査結果が報告されました。これには調査方法も併せて公表され、各国16歳以上か18歳以上の1千人の回答者を抽出して、26カ国で実施したものでした。それが下記の図で、週1回以上のセックス回数の頻度を調べたものです。

[図] 26カ国の週1回以上のセックス頻度比較
各国16歳か18歳以上の1千人を対象に調査。2005年の41カ国調査報告と比べると、日本とギリシャの最下位、最上位は変わりませんが、中でも米国や英国では上位グループから下位グループに転落しています。
【デュレックス社「世界各国のセックス頻度と性生活満足度(26カ国)」(2006年)資料より引用しグラフ化】

残念ながら、ここでも日本は他国から大きく引き離されて最下位に沈んでいます。ギリシャの87パーセントを筆頭に全ての国が50パーセントを超えているのに日本だけが半分以下の34パーセントだったからです。ちなみに日本に次いで頻度が低かったのは米国とナイジェリアの53パーセントでした。

そして、週1回以上のセックスが日本の34パーセントにみられるのですから、残り約7割の男女のセックス頻度は週平均1回にも満たないことになります。これは前年(2005年)に発表された日本の年間セックス回数48回の報告をほぼ裏付ける結果となっています。

※本記事は、2020年1月刊行の書籍『ストップthe熟年離婚』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。