流儀三 ネット集客を意識した戦略をもて

04 マイナスポイントを「プラスワン」で相殺するコツ

手軽にできて効果の大きい家電付きプラン

ある程度年月がたって空室期間が長くなったり、成約率が落ちたかなと感じたときこそ、大家さんの腕のみせどころだ。ここでも大手不動産情報ポータルサイトのチェックボックスの項目を参考にしながら、すこし大胆なくらいのアイディアで自分の物件のアピール度をあげる努力をしたい。

まずは家電付きプランだ。これはテレビや冷蔵庫、洗濯機、電子レンジといった家電を大家さんが用意しておきましょうというプラン。とはいっても、すべての家電を用意するわけではない。このうち1、2点を用意し、場合によっては大家さんからのプレゼントという意味合いにとどめるのがポイント。

いわゆる「家具家電付き物件」のように、すべての家具・家電を備え付けにするわけではなく、ちょっとしたお得感を演出するのがポイントだ。

テレビシェルフやPCカウンターなども効果大

こうした家電付きプランとならんで効果的なのが、簡素な家具をつくり付けにすることだ。先に触れた吊り戸棚もその一例だが、テレビが置けるような低めの棚を壁面につくり付けにしたり(テレビシェルフ)、パソコン用の作業スペース(PCカウンター)をつくるのもいい。またキッチンに食器棚代わりになるような棚(キッチンシェルフ)をつくるという手もある。

家具代わりになるこうした簡単なスペースがあることが、家電付きプラン同様、築年数の古さや立地条件の悪さなどのマイナスポイントを払拭し、プラスに変えてくれることもある。

注意したいのは、すべての家電・家具がついた物件は、法人契約の場合にはメリットが大きいが、個人の場合、他人がつかった家電や家具には抵抗感が大きくデメリットが大きい場合もあることだ。

[写真1]作り付けの家具もポイントが高い

大胆なカラープランニングや選べる壁紙もプラスに

昔は賃貸マンションの壁といえば、オフホワイトかベージュに決まっていたが、最近は赤や黒といった大胆な色が使われた賃貸住宅が登場して注目を集めている。

もちろんすべての壁が赤というのでは、落ち着かないが、壁の一面だけ赤や黒、紺などにしてみると、単身者向けには新鮮で好印象をもたれる場合もある。

また大手の不動産会社が「壁紙を自由に選べます」というCMを流して以降、入居時に自分の好みの壁紙に張り替えるのはブームになった感がある。これも試してみる価値がある。

大胆な家賃設定も効果がある

「家賃を下げるのは最後の手段」というのは、大家さん業の鉄則といわれているが、物件の条件によっては、いままで述べてきたようなアイディアを採用してもなかなか効果のあがらない場合もある。そんなときは大胆な家賃設定に出るのも手だ。

たとえば家賃そのものは下げないが、引越し後一定期間家賃が発生しない(フリーレント)ことにするとか、敷金礼金ゼロとするだけでなく、大家さんが仲介会社に礼金を払うことで、入居人は引越し費用以外、いっさい初期費用がかからないようにする手もある。

日照が極端に少ないとか、眺望が極端に悪いような物件では、相場より、かなり家賃を下げ、その安さで注目を集めるという戦略が有効な場合もある。

10人中9人に選ばれない物件をあえてつくってみる

工務店のおやじとしての経験からいうと、あまりにマイナス要素の多い物件は、そのマイナス部分を集めてプラスにするという奇策が有効な場合がある。

たとえば以前、北向きで眺望も悪く、昼でも暗い部屋がほとんどの物件をリフォームしたことがあった。そのときのコンセプトは「10人中9人は住みたいと思わない部屋」。

単身者の中には、早朝に出勤して帰宅も深夜、休日も午後遅くまで寝ているという人も少なくない。そんな人の日常をイメージして、夜が快適に過ごせる部屋を演出した。

壁紙はもちろん黒。照明もトイレや浴室などをのぞいて、なるべく間接照明を多用した。天井からの照明はダウンライトが1灯だけと、徹底的に「暗い部屋」にしてみた。結果はまずまず。

空き部屋を募集すると、問い合わせは少ないが、実際に見にきた人は、ほぼ1発で契約に至ることが多かった。

[写真2]間接照明を多用した徹底的に「暗い部屋」
※本記事は、2020年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。