【第3章】賢い相続税の節税対策にはこんな知識が必要

「金融大工」誕生秘話

不動産についても、始めはどの土地を買えばいいのかまったく分かりませんでした。しかし、不動産屋の言うことを鵜呑みにするほどお人よしではないので、自分でもある程度の判断ができるように設計の勉強を始めました。

家を建てる際には法律や条例により、さまざまな制約を受けます。用途地域、最高高さ制限、北側斜線、道路付け、さまざまな条例、市街化調整地域などなど。これらの知識がないと、その土地にどんな建物が建てられるか分からないのですが、これも設計の勉強をして克服しました。

土地は一般的に坪いくらで表記されますが、坪単価が安いから悪い土地で、坪単価が高いからいい土地だとは必ずしも限りません。目的によって土地の評価は分かれるのです。例えば、住宅の場合で駅から近いことは良いことだと考えられがちですが、駅から近い立地の場合、周辺が飲み屋だらけでうるさかったりする場合もあるので、一概に駅に近い方がいいとも言えないのです。

また、投資物件の場合、駅から近い平坦地で、正方形の土地だったとしても、購入金額が高ければ利回りが低くなり、「悪い土地」として評価される場合もあります。また、2階建てしか建てられない土地と10階建てが建てられる土地では、土地の価値が違うので、坪単価だけでは比較ができません。土地は立体で考えなくてはいけないのです。

不動産の業界用語に「一種単価」と呼ばれる価格があります。容積率から最大延べ床面積を算出し、面積で割るとこの「一種単価」を算出できます。この「一種単価」を比較して、初めてその土地が安いのか、高いのかの判断ができるようになるのです。

この計算から、2階建てなら木造建築の方が低コストだろう。3階建てなら木造か、鉄骨のどちらの方が収益性がいいのか。4階以上ならRC建築か、鉄骨造でどちらが収益性がいいのかなどを検討していきます。その物件を長期間保有し、長く稼いでいくことが第一義ですが、何か問題があって売らなくてはならなくなった時のことも頭において、工法を選ぶ必要があります。

なぜならば、どの建築を選ぶかによって、高く売れるか否かが決まるので、慎重に選ばなくていけないのです。その土地で一番高く売れる工法と、間取りを実現することで最大価値が生まれるのです。

※本記事は、2018年7月刊行の書籍『「金融大工」が知っている 一番わかりやすい相続対策』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。