Ⅱ.これこそが慢性病の根本原因だ!

2 視点を変えると、見えてくるもの​

医学界は死の原因を特定できていない!

では、いったい何がこの異常血圧の発生原因だと医学界では考えられているのでしょうか。なんとこのことに関して、“答えが出せていない”と言っても過言でない状態に現代医学界はあるのです。

この事実は私にとって全く信じ難く感じられます。また皆さんも、ここに私の記したことが事実であることを確認されたなら、私と同様極めて強烈に驚かれるに違いないと推察するのです。

ところで、殺人事件での被害者のご遺族たちの大半は、故人の運の巡り合わせの悪さを深く嘆き悲しむと同時に、せめてその予期せぬ不運と不幸をもたらした事件の真犯人が、一刻も早く逮捕されることを強く望まれます。

幸いなことに、我が国の警察組織は非常に優秀ですので、かなりの確率で真犯人を速やかに発見、逮捕しています。

一方、病死者の数は殺人事件の被害者数よりも毎年千倍近くも多いのです。

しかし、医学の進歩が盛んに言われるようになった今日にあってさえ、死の原因となった病気の種類(病名)はわかっても、肝心なその病気の根本原因は多くの場合わからないとされたままの状態が今なお続いているのです。

このことを皆さんは、極めておかしいことだと思いませんか?

今日、両発作は一般的に、血管の動脈硬化の度合いが高度な人に起こりやすいことは世間の常識となっています。確かに、丈夫でしなやかな血管に比べ、動脈硬化が進行して脆くなった血管のほうが、僅かな変化であっても壊れやすいことは容易に想像できるでしょう。

しかし、激しい両発作がなぜ睡眠中などでも突如として起こるのか、その発症の原因は曖昧なままで、詳しいことは今もなおわかっていないのです。

20世紀初頭の頃、フランスが誇るパスツール研究所の第3代所長を務められたイリヤ・メチニコフ博士(1845〜1916年、ロシア生まれ。1908年に「免疫の食細胞説を支持する研究」でノーベル生理学・医学賞を受賞)は、「多くの病死の原因が誤解や当て推量である」という主旨のことを『楽観論者のエッセイ』というタイトルの自著の中で指摘されています。

ところが、21世紀を迎えた今日でもなお、両発作の発症原因は精神的過労やショックなど、“偶発性”という意味が多分に含まれるなんとも非科学的なものに罪(原因)をなすり付けて片付けられてしまっているのです。

誠に残念なことにこれは真実であり、現実の実態なのです。

そこで私は、さらにこの点を深く追求してみました。

犯人はお腹の中にいた!

人間を急死させる原因となる両発作は、自殺や殺人などのように、自ら毒をあおったり、故意に毒を盛られたりしたから起こるという類のものでは絶対にあり得ません。

両発作による急死は、その発症の様子などから見て、体の内部において一過性に生じるなんらかの産生物質が原因となって起こると考えることは、至極妥当な判断であるはずなのです。

但し、急死するなどということはそうそう頻繁に起こることではありません。したがって、そのようなことを引き起こす原因となる物質は、ある特定の臓器で常々多量に産生されている類の物だというようなことは絶対に考えられないわけです。

しかも、重篤な脳溢血発症時には異常超高血圧を生じ、また、心臓発作発症時には脈も触れ得ないほどの超低血圧を生じ、さらには、それらの症状は急激に発生かつ消失します。

したがって、このようなことを引き起こす原因物質は、体の中である条件がそろった場合にのみ一過性に多量に産生され得るようになる物のはずで、極めて微量で激烈な生理活性作用を持つ物だと判断することができます。

また、それらが水溶性の物質であることは言うまでもありません。さもないと、血液を介して速やかに全身に拡散し、その作用を青天の霹靂のごとく発現するなどということは起こり得ないのです。

そこで、以上の諸条件を満たす物質が両発作の根本原因物質である可能性が極めて高いであろうという判断のもとに、父はその真犯人探しを行ったのです。

すると……いました! いました! その真犯人はなんと! お腹の中に隠れていたのです!

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。