流儀三 ネット集客を意識した戦略をもて

01 ネット検索でヒットしやすい物件をつくるのが原則

チェックボックスはリフォームのキーワードにもなる

こうした大手不動産情報ポータルサイトのチェックボックスの項目は、新しく賃貸住宅を企画する際にも、いろいろなアイディアの源になるが、新築から少し時間がたって集客力が落ちてきたなと感じられてきたようなタイミングでリノベーションに踏み切る際も、このチェックボックスは役に立つ。

たとえばスーモのチェックボックスで気になる項目をランダムにあげてみると、こんなものがある。

温水洗浄便座。宅配ボックス。インターネット無料。

いま集客力を上げるためにリノベーションを考えているとしたら、このうちのどれかひとつでも取りいれてみれば、検索でのヒット率は上がるはず。あとで詳しく述べるように、空室が多くなって家賃が入ってこないことを考えれば、わずかな出費で集客効果は大きい。

将来チェックボックスに入りそうな項目を先取り

大手不動産情報ポータルサイトのチェックボックスの項目は、ユーザーの求める条件をリアルタイムで反映するため、どんどん更新されている。したがって大家さんも定期的にこのチェックボックスを「チェック」する必要がある。

それだけでなく、近い将来このチェックボックスに入ってきそうな機能や設備、サービスを先取りすることも大切だ。たとえば今後は省エネ性の高さや、耐震性能が賃貸住宅にとってもアピールポイントになると考えられる。

そこで新築時なら思い切って屋根にソーラーパネル(太陽光発電)を設置し「光熱費ゼロの賃貸住宅」を先取りしてみるのもいいかもしれない。ソーラーパネルの価格も下がってきているし、部屋にいる時間が少なく、もともと光熱費の少ない単身者向けなら十分ペイすると思う。そこまではできないという人も、照明を最初からすべてLEDにするくらいなら簡単にできるはずだ。

また筆者の地元である大阪・堺周辺では、東南海地震の危険が迫っていることもあって、耐震性能への関心が高い。とくに木造のアパートを新築する場合などは、耐震性能をワンランク上げて、耐震等級1から2にしておくと、実際に地震がきたとき被害が小さいだけではなく、集客するうえでも効果が高い。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。