Ⅱ.これこそが慢性病の根本原因だ!

1 慢性病の原因解明を妨げているものは何か​

発症までの長い道のり

従来、心筋梗塞は、なんらかの原因により血管に物(血液中に生じた不溶性の固形物)が詰まって、血管閉塞(血行停止)あるいは、血管が塞がりかかって血行が途絶えがちとなることで生じると考えられてきました。

しかしその後、冠状動脈血管(血液を全身に送り届けるためのポンプの役割を担う心臓自体に栄養や酸素を供給するための血管)の一部に激烈な収縮と痙攣が生じ、その痙攣を生じた部位の血管の下流領域の血行が一時的に途絶えることによっても生じるという説を主張する学者たちが出現してきました。

そして、心筋梗塞発症に密接に関係する因子としては、①動脈硬化、②血液の凝固しやすさ、③動物性脂肪摂取量、④カロリー摂取量、⑤ストレス、⑥塩分摂取量、⑦喫煙等々があると医学界では考えられています。

なお、これらの因子の中でも動脈硬化は、心筋梗塞発症のとりわけ重要な原因因子であると考えられています。実際、心筋梗塞は別名「動脈硬化性心臓病」と呼ばれているほどで、動脈硬化がその発症の要因であると現代医学界が判断していることを、この命名からも窺い知ることができます。

ところが医学界では、遺伝や老化も動脈硬化の発症の要因だと判断している状態にあります。その一方で、遺伝や老化に関しては未解明な部分が多々あるというのが実状です。しかも、心筋梗塞はその発症が突発的であることがほとんどであるため、効果的な予防や治癒を行うのが難しいケースが多く、したがって、現代医療において同疾患は今なおなかなか芳しい治癒成果をあげられずにいるわけです。

ところで、冠状動脈血管を塞ぐ物質の血液中への出現あるいは、冠状動脈血管の激烈な収縮と痙攣の発生は、あくまでも結果として生じた現象と判断されるものです。すなわち、心筋梗塞発症の本当の原因は、血管を詰まらせる不溶性の物質を血液中に生じさせるもの、あるいは、冠状動脈血管に激烈な収縮と痙攣を生じさせるものなのです。この点は、皆さんぜひとも勘違いをなさらないようにしていただきたいと思います。

つまり、これらのことをもたらす心筋梗塞の真の原因の正体の解明なくしては、この疾患に対する、十分に成果のあがる予防や根本療法の実施は望み得ないことになるわけです。

さて、現行の心筋梗塞対策が芳しい成果をあげ得ていないことは、関連の統計を見れば一目瞭然です。実際、心筋梗塞の発症原因に関しては、もっぱら「偶発性」という、非常に非科学的かつ曖昧な判断がなされていると言っても過言ではない状態に現在あります。

しかし私は、心筋梗塞は偶発的に発症する病気ではなく、「突発的」なその発症の様相を理解するためには、次のような判断のほうが遥かに理に適っていると考えています。それは、心筋梗塞は、現状ではまだ不詳とされている真の原因による一過性の負荷が強力に生じた際に、発症する確率が極めて高まる病気だという判断です。

すなわち、世界中では毎年数知れぬ(おそらくは何千万件余にも及ぶ)ほどの心筋梗塞発作が発症していると推測されますので、それは“偶然”という言葉ですませられる類の出来事ではもはやなく、明らかに“必然”を意味すると判断すべきことであるはずなのです。そこで、次の節では、循環器系疾患の根本原因解明に向けた私の推理を展開したいと思います。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。