流儀二 大家さん業は誰でも「ウサギとカメ」と知れ

05 入居希望者が好むソフト、便利な仕組みはどんどん採用

退去時アンケートにも大切なヒントが

インターネット全盛の時代といっても、それがすべてではない。大家さんにとって、自分の所有する賃貸住宅の入居者からくるクレームや要望を聞く耳をもち、それを経営に活かしていくことは、大家さん業の基本であり、それはいまもまったく変わっていない。

たとえば入居者の契約期間が満了して退去が決まったときは、入居者にアンケートをとって、退去の理由や入居中の不満などを具体的に引き出すようにしたい。そもそも退去理由が転勤や結婚など、大家さんにとって防ぎようのない理由かどうかは、つぎの入居者を募集する際にも重要だ。

これがはっきりしないと募集戦略もたたない。入居中は、はっきりいってくれない入居者も、退去時には正直に不満を口にしてくれる場合も多いので、このチャンスを逃がすのはもったいない。

たとえば私が印象に残っているのは、あるマンションで収納の少なさへの不満が多かったことだ。1DKがとれる大きさの部屋を、好みの家具がおけるように、あえて広めワンルームにしたのだが、それが裏目にでた。

「もう少し狭くなってもいいから、収納はほしかった」
「家具はあまり持ちたくないので、細かな収納があるとよかった」

こうした声が多く、その後は居室はもちろんリビングやトイレ、洗面所にも簡単な収納をつけるようにした。かなり前の話だが、最近では収納の多さは、単身者用のマンションでは必須のアイテムになっている。

成約に結びつくのは内覧時の好印象

ポータルサイトで得られる情報は確かに部屋を選ぶ際に重要だが、インターネットでは伝わらない重要なこともある。それはマンションの外観とか共用部の印象など、実際に希望する部屋を内覧したときの印象だ。

ポータルサイトが提供する情報がいくらきめ細かくなっても、その情報だけで契約してしまう人はいない。最終的に成約に結びつくのは、内覧時の印象だ。

内覧時の印象をよくするには、まずは外観や共用部の美化維持を徹底することだ。私は不動産会社を通して専門の巡回スタッフに依頼してマンションの外観に痛みや汚れがないか定期的にチェックしてもらっている。

また入居者への情報提供や注意喚起のために掲示した印刷物が古くなったり汚れたままになっているのは、第一印象を悪くする。古くなったアパートで、いつはられたかもわからないような印刷物がヒラヒラしているのを見かけることがある。あれは大家さんのやる気のなさを象徴しているようで、ほんとうにいただけない。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。